普段考えない地盤の事3

利便性を考えるのなら駅から近いマンションなどが最も好都合なのは周知の事実ですが、戸建て住宅を考える場合、駅に近いと土地の価格が高くなるし、施工計画も高度になります。

郊外に家を構えるなら様々なビジョンが成り立ちます。利便性を考えるのか、安住なのか、セキュリテイなのか、または景観なのか、全てを包括するのは無理だとしても優先順位はつけられます

住宅地でメインストリートから少し入った場所であれば、静かで尚且つプライバシーも考慮された計画になります。

逆にメインストリートに近く各ブロックの角に近ければ交通の便とともに商業施設との距離も近くなり利便性が増します。

高台で眺望を希望されるのであれば傾斜地の上層部分になります。

傾斜地は造成地盤が多いことはご存じかと思いますが。土質的な話として、削ったところ(切土)は安定地盤で考えられますが、盛土(地甘などという)したところは、とても課題が多いです。ただ足しただけでは滑り落ちてしまいます。強度も甘く本来の土に戻るのには、1000年かかるともいわれます。

近年は掘削面を段切状にして落ちないようにするとともに、地盤改良材で地甘を一定強度に近いものにするのは当たり前の事とは思います。

3mの以上の段差をつける場合擁壁は絶対です。擁壁は上段の土圧を受ける部分です。因みにここでも杭を使うことがあります。少し使い方が違っていて土圧を受けた擁壁は下段に向かって押し出されます、なおかつ擁壁の上からも土圧が来るので回転して転がり落ちる力も発生します。そこで横ずれ防止及び回転で生じる引きぬきにたえられるように杭を入れるわけです。

施工主さんは施工を行う前や施工中に土の状態を考えながら施工します。少しでも造成が変われば段のつけ方も変わってしまうことがあるし、施工内容も石積みから擁壁に変更が生じたり、実際の土壌とボーリングの差異は当たり前です。

建築建屋の施工と違い水物と言われております。

旧来は急な造成でよくわからない施工地盤のところもありました。造成地を買う場合、そのようなことを踏まえて、売主さんにいろいろ、伺っておいたほうがよいと思います。