リフォームをする際、新築工事でも同じですが、クロスの仕上がりは、職人さんの腕が極めて輝る部分です。しわ無く、むら無く貼るのは当然のこと。ちょっとした隅っこの美しさを注目してあげたいものです。このカットの仕方で窓やドア回りが一層際立ちます。細い部分や細かい部分の貼り込みは大変です。カットの仕方が悪いと目立ってしまいます。
リフォームで、既存のクロスをはがす場合、接着の状態で下地が左右します。職人さん一所懸命パテを入れて下地をこしらえます。時間がかかっているからと言って決してへたくそなわけではありません。最初のころの状態に、より近づくように頑張っているのです。
クロスの寿命は、個別差はありますが、やはり10年くらいかと...。
クロス作業は貼るよりも剥がして下地を作る作業のほうが時間がかかります。クロスを貼る糊は、予めはがすことを想定してますので、定期的にお手入れされているお宅では、意外と仕事がはかどりますし、仕上がりもよい感じです。
ただ、どうしても外壁と同じでどんなに大切にしていても、やはり劣化はあります。表面のくすみや色あせは、生活汚れや紫外線の影響です。その下のボードや木表面は、空気に含まれる水分や温度などの影響です。表面のクロスは貼りかえればよいわけですが、壁内部はボードであれば反りが出ます。合板であればヤニや接着剤の劣化によるささくれ、軟化などがあります。下地の状態はクロスの仕上がりに影響を与えるのです。何年かに一度は下地の貼替を、と言いたいところですが、それではむしろ生活感がないので、よほど劣化がなければ、たまにクロスを貼りかえるといった、変化を楽しむ観で行きたいものです。
一通りの作業が終了し、何日かすると膨れや目地起きが生じることがあります。これは壁内に残った空気があとから温度差などの影響で出てきたり伸縮したりする影響です。職人さんたち、お医者さんでもないのになぜか注射器を持ち歩いています。そのふくらみに注射で糊を入れて補修するためです。クロスを貼ったって何日かして、もしそんなものを見つけたら声をかけてやってください、直しに行きます。