内装にこそこだわりを。

あなたが毎日”安住”を感じるのは、以外にも外観ではなく室内のかもしれません。例えば、部屋から見える眺望であったり、毎日、目に入る庭や近隣の眺めであったり。切り取った窓の景色に、心地よい世界観を添えるのは、実は室内からなのかもしれません。窓の景色を額に飾った絵とするならばそれに合った内装を考えるのは、ごく自然の流れなのでしょう。

昔の室内は、人々がもっぱら”豊かさ”に求めることは、人がいて、ものがたくさんあってにぎやかなのが良いと考えていました。だから豪華なデザインや装飾物に満ち溢れている部屋をよいとしていたし、そう出来なくても、それを目指すようなデザインが多かったのです。現在の人は、それ以外に、心の安住を求めるようになったので、結果的に、とてもシンプルな部屋に住むようになりました。

例えば、洋室であれば白を基調としたクロス貼り、床は木目の効いたフローリング、敷居などはなるべく付けないようにして、部屋と部屋、廊下との間に一体感を持たせる空間にすることで開放感を持たせる。その様な演出をするわけです。

クロスには少しだけ柄を入れてみるのもよいかもしれません。あまりやると柄と柄で喧嘩をしてしまうので、例えば壁に、ちょっとしたパターンが入って、天井は基調色にする。

部屋の中心に重要な絵画があるとすると、それをつける壁面だけアクセント柄にする。他はもっぱらシンプルにして、絵画を引き立てる。

フローリングは生活するうえではお手入れの簡単なもののほうが良いのですが、こだわれば無垢材などもあります。でも重要なのは室内のバランスが取れていることです。

例えば、古い西洋建築の豪華な室内は、あれだけゴテゴテと飾りつけしているのにバランスが取れてます。それは、草木や花などをテーマにして、一貫性を持たせているからです。でも、それだけこだわるとなると、コストやメンテナンスが大変になるので、我々は、たまに重要保存建築物を見学することで目の保養をできればと専ら考えます。

必要なのは、実際に使う人がよいと思うこと、できれば自分たちだけのテーマを持っいること、これに尽きるのかなと感じます。