建物は先ず設備計画を考えて設計しております。
因みに家庭用設備機器というと次のものがあります。
キッチン(コンロ、食器洗い乾燥機、水栓、レンジフード)
ユニットバス(付随してシャワー水栓、換気扇)
洗面化粧台、便器、水道、給湯設備
近年では設備機器は交換を前提に作っております。その為各メーカーはほぼ規格をそろえて市場に提供しております。
キッチンは、高さが850mm奥行650mmこのサイズで各メーカーが作ってきます。勿論身長差などを考慮することもありますのでオーダー変更は可能です。(商品の構成上不可もあります)
下台の収納は扉か引き出しが選べます。かつては瓶物を置くスペースと考えておりましたので専ら開き扉であったと記憶します。最近は調味料など収納するものに変化が生じ、小さく小分けしておくものが多くなったので、上のほうの空間がもったいないと考えるようになりました。その為、引き出しを2段にするケースが増えたというわけです。
またかつてとは大違いでコンロも食洗器もユニット化されキッチンに組み込まれております。さらにはレンジフードまでコンロと連動になっているものもあります。だからと言って複雑な設置をしているわけではありません、これも各社同基準のサイズで作っておりますのであとから交換したりすることは十分できるのです。(IHも同様)
レンジフードの幅は600,750,900等と、ほぼ決められているのでキッチンもそのサイズの組み合わせで考えております。集合住宅の場合、排気口が共有になっている場合があります。共有部は縦孔でボイド風が吹いております(主に高層マンションですが)ボイド風は温度などにより風元の空気を押したり引っ張ったりします。その為、ゴワゴワ音がしたり勝手に吸い込んだりはいたりといった現象が起きることがあります。その為使わないときは排気口をフード側でシャットアウトできる機能をつけておかなくてはなりません。交換をするときはその機能がついているもの、もしくは取付対応が可能な物を選ぶ必要があります。新築時は設計者が選んでおりますの、概ね間違いないと思います。交換を考える場合ダクトがどうなっているか、もしくはついている換気扇がそのような機能になっているかで判断をするかなどを念頭におく必要があります。因みにあらゆる商品がそうなのですが、ついている機種が特定できる場合、メーカーに品番を問い合わせなどすればその辺の情報は割と簡単に探れます。
ビルドイン食器洗い乾燥機はほとんど幅が450mmです。大型やスリムタイプもありますが、スタンダートなキッチンのラインナップでは、恐らく450mmで統一されていると思います。但し気を付けなくてはいけないのが、これもビルドインになってから随分経ちますので、開発当初と随分事情が変わってきており、昔のサイズでは奥行きが微妙に違っていたりして、製品も奥行サイズが小さくなっているものなどが交換用としてそろえていたりします。
30年以上頑張って使っていらしたご家庭は、排水が少しだけ変わっております。近年のシステムキッチンは排水トラップが内蔵されております。昔はキッチンに内蔵しておりませんでしたので排水桝にトラップをつけております。キッチンを交換するときは桝側のトラップは撤去します。これをしないと排水が詰まってしまうとか,悪臭や虫が上がってくるとかがありますので忘れずに見ておきましょう。
※トラップとは、排水管の途中若しくは枡の排水口に封水をしてにおいと虫の侵入を防ぐ機能です。多くあればよいというものではなく、1本の排水管には必ず1つです。それ以 上あると汚物が溜まり先のような現象が起きます。(専門用語でダブルトラップと言います)