生活するのに絶対必要な給湯器など住宅設備。2

お風呂は昨今ではユニットバスが主流です。昨今のタイルの風呂の新設は、ほぼ皆無だと思います。因みにタイル風呂はタイルの下にモルタルが引いておりラス網(金属の網でモルタル層の心材になります通常は木部に釘やパンチで張り付いております)で木造部に張り付いております。木下地はアラシという短冊状の板をつけてあり壁の下地としております。更にその下に303mm(2尺)ピッチで間柱を置き隅には105mm(3寸)柱を置いております。家の角に該当する部分などの壁には筋交いを入れております。一番下の木部は土台です。その下は家の外周に則して基礎(布基礎)を400-500高さで廻しております。 床はタイルの下は約150㎜以上のコンクリートでその下は土壌です。

日本家屋はほとんど尺貫法で家を作っているので、(2×4方式ではmm単位)家の区切りも1軒(1820mm)浴室はおそらく1軒×1軒、もしくは1軒×1.5件壁芯サイズで作ります。その為、ユニットバス各メーカーはなるべくぎりぎりまで大きく作るために1600×1600、もしくは1600×1200を一番スタンダートと考えております。勿論尺貫法を使ってない家もあるし、意図的に大きくしたってかまわないので、ほかのサイズも用意しているのですが、圧倒的に出るのはこの2つのサイズです。マンションもそれに影響されてその2サイズで計画されているものがほとんどだと思います。

タイルの風呂をユニットバスに変える場合、既存タイル壁面の対抗幅は1600×1600、もしくは1600×1200で仕上がっている場合が多くそこから約30mmずつタイル壁とアラシをとれば施工可能な大きさになりますので、ユニットバスが十分入るというわけです。ユニットバスは箱を置いているだけなので、割としっかりした地面に水平を確保しておかなくてはなりません。更に、排水部分が十分入る高さまで既存床コンクリートを撤去して(おそらく全部撤去して)もう一度コンクリート床を作ります。ユニットバスは決して重いものではないので、それほど頑強にする必要はないのですが、それでもコンクリートの厚みは100mm以上はないと不安です。ユニットを組み立てた後、窓は既存のサッシ窓に木で50㎜以上の幅で枠をつけその上から樹脂パネルで被覆すれば、水が木造の壁打ち侵入することはありません。ドアはユニットについているのでそこも、幅150㎜くらいの遮水枠材で被覆すれば壁中に浴室使用水が入り込むことがありません。脱衣所から見ても美しい浴室になります。また組立ながら給水、給湯、排水、換気、電気を結びます。排水はキッチンと同じように排水桝にトラップがあります。新しい浴室はトラップ内蔵ですので、同様の配慮が必要です。

マンションの場合はユニットバスから同じユニットバスに交換するので給排設備の心配は少ないです。但し25年以上たっているユニットバスはアスベスト含有パネルでタイルユニットを固定しているものがありますのでこれに配慮しなくてはなりません。解体後に発覚する場合もありますので、アスベスト廃材の処分方法も考えておくことが重要です。特に2023年10月から、判定検査が義務付けられますので、少し厳しくなったと捉えるべきかと思います。

換気は自然換気で作られているお家はこの際、換気方法を見直して、新しく外部に排気口を作ることをお勧めします。その場合ダクト(換気を通す100㎜くらいの大きさの菅)を外部に通さなくてはなりません。

集合住宅などでもたまに自然換気でやっているところがあるのですが、その場合は換気の通気ルートが新たにつけられない場合があるので検討が必要です。

洗面所の作り方は様々なのですが、ほとんど取り出し位置は決まっているのでメーカーの既製洗面化粧台を設置する方法が主流です。この場合はボウルの高さは750㎜奥行寸法は450㎜が標準です。幅は600、750、900、1200などがスタンダートで稀に矮小タイプや大型タイプもあります。他に収納、鏡、ボウルなどをお客様のほうで選択してもらうコンポーネントタイプもあります。勿論特注もあるのですが、コスト面で問題があるので一般的にほ上記タイプから選択しております。

トイレは基本的に75㎜もしくは100㎜径の排水孔を床に作る床だしタイプ及び高さ155mm位置に壁方出す壁だしタイプの2種類です。最近では殆どが床だしタイプかと思います。壁だしタイプは主に集合住宅で採用されます。理由は床から排水を出すと約150㎜排水の横引きが必要になりその分、階高が大きくなってしまうからです。以前は副層のマンションの計画は、階高を必要最小限にして、より部屋数を多くとるのが狭い日本の土地の使い方とされておりましたので、マンションの便器は壁だしが主流となったわけです。最近では各階の階高や建物全体の高さを上に伸ばす傾向があるので、内部の詳細を考える際もゆったりスペースで、改装することも考慮した計画が当然になってきているのでトイレも床からとっている集合住宅が増えてます。

床だしのトイレは後ろの壁から120㎜もしくは200㎜の位置に排水口をつけるのが標準ですが、これも旧来の便器はまだ位置が定まっていなかったので交換をする場合の便器排水は特殊なソケットでずらして設置してつけます。(210-550㎜)

便器の機能もどんどん進んでおります。

旧式の水洗トイレは三角のタンクもしくは上部にタンクをつけておりました。また、近年では和式を好むお宅があまりなくなったので、各メーカーの洋式便器が製品のラインナップの中心です。スタンダートは腰高の位置にタンクをつけております。そこから一気に便器の縁を経由して便器内に落としています。最近では、各メーカーが使用水の量を売りにしておりますので、水を落とすときに回転を加えて行うトルネード式が主流になっております。また更に排泄落とし穴側に負圧を与えて洗い水を引っ張る方式(サイホン式)などのものもあります。素材も特殊コーテイングなどをして汚物やにおいが付着しにくいものも出ております。

当初タンク容量は24リットルであったものも現在では8リットルが当たり前になっております。(4リットルのもあります)

そのほか、電化タイプはタンクレスを売りにしております。少量のタンクにポンプを備え、水を送り、トルネード送水を行い、合わせて洗浄剤を送ることができたりします。

その他オプションでは自動蓋開閉、脱臭機能、トイレ室内の暖房までやるタイプもあります。もちろんお尻は優しく洗います。